日本では、1990年代初頭のバブル崩壊以降、経済が長期停滞した時代を「失われた30年」と呼ぶ。株価や不動産価格の急落により企業や銀行は巨額の損失を抱え、金融機関は不良債権処理に追われて貸し出しを控えるようになった。その結果、企業の投資は停滞し、物価が下がり続けるデフレが定着した。デフレは企業収益を圧迫し、賃金が上がらない状況を生み、消費の低迷がさらに経済を弱らせる悪循環が続いた。
この時期に社会へ出たのが、いわゆるロストジェネレーション世代である。就職氷河期に直撃し、正社員としての採用枠が極端に狭かったため、多くが非正規雇用でキャリアをスタートせざるを得なかった。非正規は賃金が上がりにくく、経験を積んでも待遇が改善されにくい構造があった。さらに当時の日本企業には「若手優先」「中途採用に消極的」といった文化が根強く、転職による収入改善も難しかった。
こうした背景から、ロスジェネ世代には「どれだけ働いても賃金が変わらない」という感覚が強く残っている。これは個人の努力不足ではなく、時代の構造が生んだ不公平ともいえる。近年は人手不足を背景に中高年の採用が増え、賃金も上昇傾向にあるが、世代が受けた影響は今も大きい。失われた30年は、日本経済だけでなく、働く人々の人生にも深い影を落とした時代だったといえる。
泣きたくなる・・・
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